前回のブログ記事では、LINEクロスターゲティング機能の概要と、現時点で実現可能なこと、今後実現可能なことについて紹介しました。
その中で、具体的なメリットが湧かない、どのように活用すればいいか分からない、オーディエンスの設定方法が分からないといった方も多いのではないでしょうか。
今回は、LINEクロスターゲティングの活用イメージやクロスターゲティングの効果、オーディエンスの共有方法についてご紹介します。
LINE公式アカウントのデータを活用したLINE広告配信
LINEクロスターゲティングを活用することで得られるメリットとしては、新規顧客向け・既存顧客向け・休眠顧客向けといった施策を効率化できる事です。
2020年7月1日時点では、LINE公式アカウント・LINEポイントAD・Talk Head ViewのオーディエンスをLINE広告へ活用することが可能です。
例えば、”LINE公式アカウントでメッセージを開封したユーザー”を除外してLINE広告を配信することができます。この場合、メッセージを開封したユーザーは既に貴社のサービスを認知しているユーザーになるため、除外配信することで未認知層に対して、効率的にリーチすることができます。
では、具体的に新規・既存・休眠施策においてどのような活用ができるのかを、それぞれご紹介していきます。
クロスターゲティング活用イメージ:新規顧客向け施策
新規顧客向け施策については、認知獲得・友だち獲得・会員獲得・アプリダウンロードなどの各施策ごとに、オーディエンスと配信手法をもとに活用イメージをご紹介していきます。
認知獲得施策
認知獲得施策を実施する場合、既に自社のサービスやキャンペーンを認知されている方にも広告が配信されてしまうため、認知層にも広告が配信されるといった課題をお持ちではないでしょうか。
そのような課題に対して、例えばLINE公式アカウントのメッセージを開封したユーザーをオーディエンスから除外設定してLINE広告を配信することで、認知層への広告配信を減らして効果的に認知獲得が可能となります。
友だち獲得施策
LINE広告を通じて友だち獲得施策を実施されている場合、メッセージの開封や会員登録・購入といった、友だち獲得後のアクションに繋がっていないという課題をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この場合、よりエンゲージメントが高い友だちを獲得する必要がありますが、例えばLINE公式アカウントのメッセージのリンクをクリックしたユーザーをオーディエンスに設定して拡張配信を行うことで、エンゲージメントの高いユーザーを獲得していくことが可能です。
アプリダウンロード
LINE広告を活用してアプリダウンロードをして頂いたとしても1回開いただけで休眠化してしまっているため、アプリダウンロード後もアクティブに使ってもらえるようなユーザーに対して広告を配信したい、といった課題をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
このような場合、例えばアプリをよく利用されているIDFAリストをアップロードして類似拡張配信を行っていくことで、アプリをよく利用するユーザーに類似したユーザーにのみ広告を配信することが可能となります。
IDFAとは、アプリをダウンロード頂いたユーザーに対して、ダウンロード毎に振られるiOSの識別子です。iOSのアプリをダウンロードしたユーザーのIDと解釈頂ければ良いと思います。
クロスターゲティング活用イメージ:既存顧客向け施策
次に、既存顧客向け施策の活用イメージについてご紹介します。
LINE広告を通じてクロスセル・オプション販売・アップセルといった施策を実施する中で、例えば、初回購入ユーザーに対してはアップセルの広告を配信し、2回以上購入ユーザーに対してはクロスセルの広告を配信したいが、購入回数に応じた広告の出し分けを行えていないというケースはありませんか?
こういった時にuidリストを活用することで目的に応じた広告を配信することが可能となります。例えば、LINE公式アカウントの友だちの中で初回購入ユーザーのuidを活用してアップセル用の広告を配信、LINE公式アカウントの友だちの中で2回以上購入ユーザーのuidを活用してクロスセル用の広告を配信といったように、uidを活用してリターゲティング配信を行っていくことで、既存ユーザーの中でも目的に応じた配信を行うことが可能です。
クロスターゲティング活用イメージ:休眠顧客向け施策
最後に、休眠顧客向け施策の活用イメージについてご紹介します。休眠顧客向け施策については、直近1年間購入していないユーザーに対して再購入を促す施策や、アプリダウンロード後に1度も利用していないユーザーに対する再起動を促す施策を実施していきたいと思われている方も多いのではないでしょうか。
例えば、アプリダウンロード後に1度も利用していないユーザーに対する再起動を促す施策を実施していきたいといった場合は、利用していないユーザーのIDFAリストをアップロードしてリターゲティング配信することで、アプリ再起動を促す施策が可能となります。
LINEクロスターゲティングの効果
LINEクロスターゲティングの活用メリットや活用イメージについてはご理解頂けたと思います。では、通常のLINE広告と比較してクロスターゲティングの効果はどうでしょうか。
以下の図は、通常の友だち獲得施策とクロスターゲティングを活用した友だち獲得施策の効果の比較です。

画像引用:LINE
同じ会社での比較実績ではないものの(注釈の※1、※2)、クリック率は通常の友だち獲得施策と比較して0.16%→0.43%と約2.7倍の効果、クリック単価としては208円→81円と約61%減少しています。
またクロスターゲティングを活用した友だち獲得施策のオーディエンスについては、メッセージを開封したユーザーもしくはメッセージをリンクしたユーザーをオーディエンスとした拡張配信を行うことで自社サービスに興味関心度が高いであろうユーザーへリーチできるため、友だち獲得後のブロック率低下も期待できます。
まとめ
このようにLINEクロスターゲティングの活用で、LINEプラットフォームのデータを横断的に利用し、より最適な人にLINE広告でリーチし、新規・既存・休眠といった各施策を実施することができます。この機会にLINEクロスターゲティングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
また、LINE友だち獲得がそもそもできていない、オーディエンスの共有方法が分からないといったご不明点などございましたら、Twitterや会社問い合わせページへお気軽にご質問下さい。
以上、今回はLINEクロスターゲティングの活用メリットと活用イメージ、効果事例についてご紹介させて頂きました。
(この記事は2020年7月1日現在の情報を基に執筆しています。)