昨年の2019年12月12日にLINE社よりローンチされたクロスターゲティング機能。名前だけは聞いたことがあるけど、内容についてはよくわからないといった方も多いのではないでしょうか?
今回は、クロスターゲティングの内容について詳しく知らないといった方に向けてクロスターゲティングの概要についてご紹介させて頂きます。
LINEクロスターゲティングとは
LINEクロスターゲティングとは、「LINE公式アカウント」「LINE広告(旧LINE Ads Platform)」「LINE SP Solutions」の3つのプロダクトを横断で相互にデータを利用することが可能な機能です。
これまでは、LINE広告の配信にLINE公式アカウントで友だちとなったオーディエンスを利用するといった、プロダクトを横断したユーザーデータの活用はできませんでしたが、今回のクロスターゲティング機能の登場により各プロダクト内で蓄積したデータを相互に利用することが可能となりました。
クロスターゲティング機能で実現可能なこと
このように各プロダクトで蓄積したデータをプロダクトを横断して利用することのできるクロスターゲティング機能ですが、2020年6月時点で実現可能なことと、今後実現可能になることをそれぞれご紹介していきます。
まず現時点で実現可能なことは、LINE公式アカウント・LINEポイントAD・Talk Head ViewのデータのLINE広告への活用です。(下記図フェーズ1)
今後は、各サービスを通じて取得したデータの相互利用(フェーズ2)、より高精度なユーザー属性の分析や位置情報データの活用、サービスを横断したクロスレポーティング(フェーズ3)など、機能の拡充と精度改善が予定されています。
LINE公式アカウントのデータとLINE広告
ここでは、LINE公式アカウントのデータのLINE広告への活用に絞ってご紹介します。
LINE公式アカウント内に蓄積されているデータの中でも、LINE広告のオーディエンスとして活用可能なオーディエンスは以下の通りです。
LINE広告に活用できるLINE公式アカウントのオーディエンス
- メッセージを開封したユーザー
- メッセージのリンクをクリックしたユーザー
- アップロードしたuidリスト
- アップロードしたIDFAリスト
- Chat tag
- 友だち追加経路
uidとは、LINE公式アカウントと友だちになっているユーザーに対して、LINE公式アカウント毎に振られる識別子です。LINE公式アカウントで友だちとなったユーザーのIDと解釈頂ければ良いと思います。但しuidリストを利用する場合は、別途Messaging APIの利用が必須となります。
※Messaging APIとはLINEが一般公開している、LINEのアカウントを通じてユーザーとの双方向コミュニケーションを実現するAPIです。
IDFAとは、アプリをダウンロード頂いたユーザーに対して、ダウンロード毎に振られるiOSの識別子です。iOSのアプリをダウンロードしたユーザーのIDと解釈頂ければ良いと思います。
LINE公式アカウントのデータを活用したLINE広告配信方法
前章でもわかる通り、LINE公式アカウントにはユーザーに関する多くのデータが蓄積されています。
これらのデータ(メッセージのクリックやユーザーオーディンス)を、LINE広告のターゲティングに活用できるのが、クロスターゲティングの強みです。
例えばLINE広告で認知施策を実施していたとします。メッセージを開封したユーザーは既に貴社のサービスを認知しているユーザーかと思いますので、メッセージを開封したオーディエンスを活用して除外配信することで、効率的に未認知層にリーチすることが可能です。
LINE公式アカウントのオーディエンスを活用できるLINE広告での配信方法としては、3種類の配信手法から選択可能です。
【配信手法】
- リターゲティング配信
- 拡張配信
- 除外配信
リターゲティング配信とは、サイトへ訪問したユーザーに対して広告を配信する方法、拡張配信とは、サイトへ訪問したユーザーと類似したユーザーへ配信する方法です。(下記図)
除外配信とは、広告配信対象ユーザーの中から特定のユーザーを除外して配信する方法です。(下記図)例えば、サイト訪問ユーザーは除外して配信することが可能です。
そのため、LINE公式アカウントの6種類のオーディエンスデータとLINE広告の3種類の配信方法を組み合わせる事で、18通りの施策が可能となります。
まとめ
今回はLINEクロスターゲティング機能の概要と、現時点で実現可能なこと、今後実現可能なことについてご紹介しました。
- 「LINE公式アカウント」「LINE広告」「LINE SP Solutions」の3つのプロダクトを横断で相互にデータを利用することが可能
- 現時点で実現可能なことは、LINE公式アカウントもしくはLINEポイントADのデータをLINE広告へ活用可能
- 今後実現可能なことは、各プロダクトのデータを相互利用しプロダクトを横断した配信、またユーザー属性や動画視聴の共有などより高度なデータを活用することが可能となる予定
- 現時点で活用可能なデータはLINE公式アカウントのオーディエンス
- メッセージを開封したユーザー
- メッセージのリンクをクリックしたユーザー
- アップロードしたuidリスト
- アップロードしたIDFAリスト
- Chat tag
- 友だち追加経路
今回の記事を通して、クロスターゲティング機能の活用で具体的にどういった活用ができるのか?といった疑問を持った方も多いと思います。次回の記事では、クロスターゲティングの具体的活用方法についてご紹介させて頂きます。
(この記事は2020年6月23日現在の情報を基に執筆しています。)