地方公共団体によるLINE公式アカウント活用事例~地域住民のニーズにあわせた情報発信や行政サービス提供

  • 2019年12月3日
  • LINE
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LINEは2019年5月より、地方公共団体を対象に「LINE公式アカウント」を無償化する「地方公共団体プラン」を提供しています。また、地方公共団体向けに特化したLINE活用マニュアルの提供など、LINEによる導入支援も進んでいます。

これらを背景に、地域住民への様々な情報の発信や行政サービスの提供にLINE公式アカウントを活用する地方公共団体が増えています

LINEの地方公共団体プランとは?

LINEの地方公共団体プランとは、各地方公共団体向けに通常のLINE公式アカウントの機能をそのままに、月額固定費0円、メッセージ通数も無制限でサービスが受けられる特別なプランです。(※但し、通知メッセージ、LINE Beacon、Chat API、Call APIは無償の対象外)

LINE 地方公共団体プラン(画像引用:LINE

本プランを利用するには、利用条件を満たし、かつ申請が必要です。

<地方公共団体プラン利用の条件>

  • 申請対象アカウントが「認証済アカウント」であること
  • 申請元が都道府県市区町村(区は東京23区のみ)になっているかどうか
  • 本プラン適用対象は「1地方公共団体につき1つ」に限られ、他の申込みが適用されていないこと
  • アカウントの名称が「地方公共団体名」になっていること
  • 本プラン申込者がアカウントの申込者と一致していること

地方公共団体プラン詳細について | LINE(pdf)

LINEの地方公共団体プランを利用することによって、各地方公共団体は、「LINE公式アカウント」上での戸籍・住民異動・福祉・教育など住民向けサービスの各種申請・届出の受付や、モバイル送金・決済サービス「LINE Pay」を利用した税金のキャッシュレス支払い、災害時における住民への避難方法の緊急連絡など、様々な用途で「LINE公式アカウント」を活用することが可能になります。

また、「Messaging API」を活用した、特定の住民に対するセグメント配信やOne to Oneコミュニケーションなども実現することができます。

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地方公共団体によるLINE公式アカウント活用事例

一斉配信による市政情報の発信

市政情報や広報、イベント告知は、広報紙やHPへの掲載が主な発信方法で、幅広い年代の住民に対して情報をくまなく届けることに課題がありました。

LINE公式アカウントを通して、友だち追加済の地域住民に対して様々な情報を発信することで、これまで届けることが難しかったより多くの人に対して、情報を伝える機会を増やすことができるため、より身近な行政を実現することができます

さらに防災・災害時には、地域住民の安全を守るために必要な情報を、リアルタイムに確実に届けることができます。

(鎌倉市LINE公式アカウントより)

地域住民が必要としている情報をセグメント配信で提供

年代や性別、住んでいるエリアなどによって必要としている情報は、住民それぞれ異なります。

子育て・エリア・健康/医療・福祉など、予め興味のあるカテゴリを選択することで、住民のニーズにあわせた情報をセグメント配信する地方公共団体も増えています。

鎌倉市LINE公式アカウントでは、利用登録時に「受信設定」から必要事項を選択・入力することで、住民の希望にあわせた情報をセグメント配信しています。
子育てイベント情報や校区内の情報、女性向け検診など住民それぞれに必要な情報を住民の希望にあわせて出しわけることで、ニーズにあわせた情報発信を行っています。

LINE受信設定

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地域住民からの情報提供をLINEで受付

福岡市のLINE公式アカウントでは、「ガードレールの破損」、「公園遊具の破損」といった道路・河川・公園等の不具合を市の担当窓口に知らせることができる機能を提供しています。
チャットボット機能により文字入力の必要を最小限にするなど住民の負担を最小限にしながら、年間およそ1万9000件ある通報の「情報収集」、「通報内容の整理」「通報内容の担当部署への仕分け」といった窓口業務の軽減にも役立っています

住民はLINE公式アカウントと友だちになり、リッチメニューをタップ、通報する内容を選び、詳細画像を送信するだけで通報することができます。(緊急度の高い通報については直接電話へ誘導)

LINEによる通報フロー(画像引用:https://weekly.ascii.jp/elem/000/000/430/430560/

チャットボットやAIによる自動応答サービスで住民の問い合わせに24時間自動回答

災害時に信頼性の高い情報を提供

不確実な情報が拡散されがちな災害時にあっては、住民の安心・安全のためにも、正しく信頼性の高い情報をリアルタイムに届けることが重要です。災害時の被災者支援においても、LINE公式アカウントの活用を推進し、LINE上でAIが質問に回答するAIチャットボットの活用で地域住民への情報提供を行うケースも増えています。

「市川市 2019台風 被災者支援 LINE公式アカウント」では、「気象警報注意報(気象庁・国土交通省)」、「避難(市川市)」、「ライフライン(千葉県水道局や京葉ガスなどインフラ各社)」など市川市や気象庁などが発信する信頼性の高い情報へ簡単にアクセスできるアカウントとして活用されました。

市川市2019台風被災者支援LINEアカウント(画像引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000019280.html

本アカウントでは、台風19号による被害予測を受け、プログラミング不要のチャットボット開発ツール「hachidori」を採用して避難所やライフラインの案内を行う体制づくりを進めました。
その結果、台風の上陸予測から2日間で開発を行い、上陸直前の公開後1日で約17,000名の市民の利用があったとのことです。
また、り災証明書や災害見舞金・補助金についてなど、台風被害に対して必要とされる情報を見つけやすい形で提供することで被災者の支援にも活用されています。

自動応答サービスで24時間情報提供・面談予約もLINEで受付

渋谷区LINE公式アカウントでは、LINEのトーク内での住民の問い合わせに対して、AIによる自動応答サービスで情報提供を行っています。(導入時点では子育て分野を中心とした問い合わせに対応。今後徐々に範囲を拡大予定)地域住民は時間や場所を問わず、必要な時に必要な情報を得ることができます。

渋谷区LINE公式アカウント

この他にも、位置情報を送信することで、渋谷区内の周辺の公園や保育施設、緊急避難先を検索することができる「周辺施設検索サービス」や「妊婦面接等の各種予約」(育児学級、パパ・ママ入門学級、歯科専門相談、幼児の食事とおやつ)が、LINEのトーク画面で行うことができます。

チャットボットとの会話をしながら、スマホのタップ操作や簡単な入力だけで予約ができ、さらに予約した履歴はLINEのトーク画面で確認できるため、住民の利便性を高めながら窓口業務の手間の削減にもつながっています。

住民票申請・粗大ごみ受付など各種行政サービスの提供

LINE公式アカウントを利用した住民票申請や粗大ごみの受付などの各種行政サービス提供では、LINEトーク画面からオンライン申請、本人確認、LINE Payによる決済、受取までの一連の手続きをLINEで完結できます

市川市のLINE公式アカウントでは、住民票のオンライン申請をLINEのトーク画面で受け付けています。
画面に従って申請内容入力→本人確認書類を撮影した画像を送付→LINE Payで決済→郵送で受け取りと、申請に必要な一連の手続きをLINEで完結することができ、窓口に出向くことなく住民票を受け取ることができます。

市川市LINEによる住民票申請(画像引用:市川市|市川市公式LINEアカウント

また、福岡市粗大ごみ受付LINE公式アカウントでは、LINEを利用してトーク画面から簡単に粗大ごみ収集の申込を行うことができます。

福岡市LINE公式アカウント粗大ごみ申込(画像引用:https://www.city.fukuoka.lg.jp/kankyo/kateigomi/hp/LINE-sodaigomi.html

本ケースで特徴的な点は、LINEログインとLINE Profile+(プロフィールプラス)を活用してユーザーの利便性を高めている点です。

初回登録時に、「LINEログイン」により必要なユーザー情報を取得しながら、LINEアカウントとのID連携(紐づけ)を行います。ID連携後はLINEログインするだけで、チャットボットとの対話を進めながら、簡単に申込を行うことができます。

収集先を入力する画面では「LINE Profile+」に登録されているメールアドレス,電話番号,住所,氏名がフィルインされるため、入力の手間を簡略化しています。

1.専用のLINEアカウントを友だち追加
2.LINEログイン(※「個人情報の取り扱い」の注意事項を確認)

3.LINEログインにより、LINE Profile+の機能を活用しながらLINEアカウントを連携

メールアドレス、電話番号、住所、氏名についてはチェック外せば提供を拒否することもできますが「プロフィール情報」、「ユーザー識別子」、「トークへのメッセージ送信」は権限の許可が必要です。

  • 「2回目以降の利用の際に、住所等の入力を省略するため」に「プロフィール情報」、「ユーザー識別子」の権限の許可が必要。
  • 「リストから選択された粗大ごみの品目名をユーザーに代わってトークに送信する」ために、「トークへのメッセージ送信」の権限の許可が必要。

自治体独自のふるさと納税特設サイトへのLINEログイン導入

これまで、LINE公式アカウントによる情報発信を中心にご紹介してきました。

最後に、ふるさと納税を軸として地方創生を目指される中で、ふるさと納税のポータルサイト活用だけでなく、自治体独自のふるさと納税特設サイトにLINEログインを含むソーシャルログインを導入することで利用促進を行っている事例をご紹介します。

上士幌町ふるさと納税特設サイト」では、スマートフォンからの利用者が増加傾向にある中、LINEやYahoo! JAPANのアカウント情報を用いて手間なく簡単にサイトに会員登録・ログインができるソーシャルログインを導入しています。

ソーシャルログインとは、普段使い慣れたLINE、Yahoo! JAPANなどのアカウント情報を用いて、手間なく簡単にWebサイトやサービスへの会員登録やログインができる機能です。

上士幌町ふるさと納税特設サイト_ソーシャルログインの活用上士幌町ふるさと納税特設サイト

ソーシャルログインを導入することで、新規会員登録時は各SNSプロバイダの氏名やメールアドレスなどのアカウント情報を登録フォームに埋めることができるので、ユーザーは会員登録作業のほとんどをクリック/タップ操作のみで進めることができます。さらに、再ログイン時は使い慣れたアカウントでログインできるため、パスワードの管理が不要で、パスワード忘れによる離脱防止にもつながります。

会員登録を行ったユーザーには、各種優待機能を提供しながら、地方自治体とふるさと納税を行うユーザーとの繋がりを高める工夫もされています。

上士幌町ふるさと納税特設サイト_会員機能

さいごに

本記事では、地方公共団体によるLINEの活用について、事例を中心にご紹介しました。
いずれも、LINEの活用により、窓口業務など業務効率化はもちろんのこと、住民の利便性を高め、行政サービスとの距離を縮めることに繋がっていることがお分かりいただけたかと思います。

「ソーシャルPLUS」について

LINE社のTechnology Partner(※)である弊社では、ソーシャルログインサービス「ソーシャルPLUS」を提供する中で、LINEログインによるID連携や自動友だち追加の導入など、LINEのAPIと連携した技術開発やサービス提供を行っております。多くの企業様のLINE活用をサポートさせていただく中で、LINEに関する仕様からLINEを活用したマーケティング施策のトレンドまで最新情報のキャッチアップを積極的に行っております。

LINEを活用した企業のOne to Oneコミュニケーションに関して不明な点などお気軽にお問合せください。

※弊社フィードフォースは、「LINE Biz-Solutions Partner Program」において「LINE Account Connect」部門の「Technology Partner」に3期連続で認定※1されております。
※1 プレスリリースはこちら:https://www.feedforce.jp/release/19020/

(執筆:松元)

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