
- ※2020年5月19日更新 Criteo モバイルアプリソリューション、ソリューション別KPIを追記
- ※2020年4月30日更新 Web Considerationを追記
長年既存ユーザー向けのダイナミックリターゲティング広告を牽引してきたCriteo。
コマースマーケティング市場の変化に対応し、従来のリターゲティング広告に加え、サイト未訪問の潜在的な新規顧客の獲得(Criteo Customer Acquisition、CCA)や検討段階にある見込み顧客のサイト流入を強化する(Web Consideration)、休眠ユーザーの掘り起こし(Criteo Audience Match)などフルファネルでの活用が可能です。
改めて、Criteo広告の強みやフルファネルをカバーしたプロダクトにはどういうものがあるのか?導入方法や効果を高めるポイントなど、必ず押さえておきたいCriteoの基本についてまとめました。
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Criteoとは?
Criteoはユーザーの興味関心や行動履歴を基にパーソナライズされた広告を自動配信するダイナミック広告のひとつです。
Criteoは、高い技術を誇るCriteoエンジンによる機械学習と、日本のオンラインユーザーの92%(※1)をカバーしているとされる最大規模の消費者行動データベースをもとに「誰に」「何を(どの商品を)」「どのように(どんなクリエイティブで)」表示するかを適切に判断し、ユーザー毎に最適化したバナーを動的に表示します。
(※1. 参考:https://markezine.jp/article/detail/30222)
以前、気になってカートにいれた商品や、関連商品が写真つきでくるくると動きながら表示されるCriteo広告。一度は思いとどまった商品だけど、やっぱり欲しいから買おう!とバナーをクリックし購入した経験がある人も少なくないかと思います。
このように、さまざまなタイミングでユーザーに最適化されたクリエイティブをダイナミックに表示することで、継続的に購買意欲を掻き立て、購買へとつなげることができます。

長年ダイナミックリターゲティング広告の代表格でもあったCriteoですが、2018年にはフルファネルに対応したプロダクトラインナップを拡充した点にも注目です。
現在は、既存ユーザー向けの「Criteo Dynamic Retargeting(クリテオ・ダイナミックリターゲティング)」、サイト未訪問の潜在的な新規ユーザー向けの「Criteo Customer Acquisition(クリテオ・カスタマー・アクイジション)」、検討段階にある見込客のサイト流入強化向けの「Web Consideration(ウェブ・コンシダレーション)」、休眠ユーザーや特定の自社顧客向けの「Criteo Audience Match(クリテオ・オーディエンス・マッチ)」、「Criteoモバイルアプリソリューション」の5つのプロダクトを提供しています。
Criteoの特徴と強み
それでは、具体的にCriteoの特徴とその強みについてみてみましょう。
高い技術を誇るCriteoエンジンとそれを支える4つのコアテクノロジー
高い技術を誇るCriteoのエンジンは以下の4つのコアテクノロジーで構成されています。膨大なビッグデータをもとにしたCriteoエンジンの機械学習・分析により、「誰に」「何を(どの商品を)」「どのように(どんなクリエイティブで)」表示するかを適切に判断しています。
- Predictive Bidding:予測入札技術。ユーザーの行動履歴に基づいて最も適切なタイミングと価格による入札を可能にする技術。
- Product Recomendation:広告商品のレコメンド技術。ユーザーの行動履歴に基づいて、提案すべきコンテンツを最適化するアルゴリズム。
- Kinetic Design:広告素材の自動生成技術。レイアウトや色などブランド戦略に沿ったデザインによるダイナミックバナーを自動生成するための技術。
- Universal Match:広告主が保有する顧客のメールアドレスを匿名情報に加工(ハッシュ化)し、それを識別子とすることで複数のデバイスやブラウザにまたがる行動履歴を一貫して把握できる技術。Cookieベースではなく、個別のユーザーの行動履歴を一貫する上で重要なテクノロジー。

膨大かつ詳細なユーザーデータの活用によるターゲティング
Criteoは、Shopper Graphと呼ばれる世界最大規模のユーザーデータを保有しており、その数は日本のオンラインユーザーの92%(※2)をカバーしていると言われています。
月間14億人(※2)を超えるアクティブユーザーが、「どのような商品に関心をもち、カートに入れ、何を買ったのか?」という購買プロセスから、「定価での購入率が高い」「特定のブランドへの嗜好」「好きな色」といった関心や傾向に至るまで膨大なデータを蓄積しています。そして、それらのユーザープロファイルをもとに、機械学習・分析が働き、高精度なマッチングを行っています。
(※2.参考:https://markezine.jp/article/detail/30222 )
クリエイティブ最適化技術
Criteoでは、機械学習テクノロジーとクリエイティブ最適化技術によりユーザー毎に最適化されたクリエイティブを自動生成します。
閲覧したことのある商品やカートに入れた商品、カテゴリが同一の商品、同じような属性の人がよく購入している商品などCV獲得につながりやすい商品をピックアップし、最大17兆通りのデザインからユーザー毎に最適化されたクリエイティブを表示します。
具体的にはインプレッション時にふたつの側面からクリエイティブの最適化を行っています。
- レイアウト等クリエイティブ要素を選定
クリエイティブ内の色やレイアウトを瞬時にユーザーに最も適切なデザインにする機能 (Real Time Creative Optimization=RTCO) 。
カラーセット、レイアウト、ボタン、アシンメトリック・グリッド、フレキシブルコンテナーなどの要素を最適な形で組み合わせることによって決定され、最大で17兆通りものバリエーションが発生。 - データフィードのどの商品を配信するか選定
入力された膨大なデータフィードのうちどの商材がユーザーに最も適切かを判断し、クリエイティブ上に表示させるか商材を決定 (Product Recommendations) 。
クリエイティブはCTRとCVに大きな影響を与えることからも非常に重要とされています。データフィードの最適化やクリエイティブの最新機能の活用により、飛躍的に広告効果を改善することができます。クリエイティブの改善に関しては以下の記事をご覧ください。
豊富な配信先と配信量
Criteoは、Yahoo! JAPANの広告枠をはじめ、世界中の多数の広告ネットワークと提携しており優良な配信先を多く抱えています。
- Criteoが対応しているプラットフォーム当社の提携業者 | JP - Criteo.com当社は、Criteo提携業者のプライバシープラクティスおよびお客様に関連するデータにおけるお客様の権利を行使するためにその業者がお客様に提供するオプションについて理解するため、その業者のポリシーを読むことをお勧めします。
- Criteoコマースマーケティングエコシステムは、2000社以上のパブリッシャー、1万9000社以上の広告クライアントで構成され、14億人以上の月間アクティブユーザーを抱えています。(参考:https://japan.zdnet.com/article/35127292/)
一つのプラットフォームに依存することなく、多数の広告ネットワークの中から”自動で”、利用可能な最良の広告枠を利用し、日本のオンラインユーザーの92%にリーチできるという点からも非常に魅力的な媒体となります。
また、豊富な配信量を活かして機械学習が促進し、さらにエンジンの精度を高めることにもつながっています。
フルファネルをカバーしたCriteoのプロダクト構成
Criteoは、2018年よりフルファネルをカバーするプロダクトの提供を開始しました。
これにより、既存ユーザーの刈り取りに有効なリターゲティングだけでなく、サイト未訪問の潜在的な新規ユーザーの獲得や休眠ユーザーの掘り起こしなどフルファネルでの活用が可能となりました。

Criteo Dynamic Retargeting(既存ユーザー向け動的リターゲティング)
Criteo Dynamic Retargeting(クリテオ・ダイナミックリターゲティング)は、いわゆる従来のCriteo広告で、サイト訪問済の見込み顧客をターゲットにしたダイナミックリターゲティング広告です。ユーザーが離脱した後も追跡し、広告配信先のウェブサイトに来訪した際にパーソナライズされた広告を配信することで、再訪を促します。
Criteo Dynamic Retargeting配信の仕組み
- ユーザーがWebサイトの商品を閲覧する
- 商品詳細ページのタグが発火
- 発火した商品と商品IDとデータフィード上の商品IDが一致する
- ユーザーが閲覧した商品が掲載されたCriteo広告が配信
- KPI(目的):コンバージョン
Criteo Customer Acquisition(新規顧客獲得)
Criteo Customer Acquisition(クリテオ・カスタマー・アクイジション)は、興味関心が顕在化していないサイト未訪問の潜在顧客へリーチし、新規顧客の獲得を実現するプロダクトです。
Criteo Customer Acquisitionの仕組み
- 既存ユーザーの履歴や行動データを分析して、理想的なターゲットのプロファイルを作成し、見込み客を把握・特定
- スコアリングを行い、そのプロファイルに一致する潜在的な新規顧客=購入する可能性が高いユーザーをターゲティング
- 興味が高いと推測された商材のレコメンドを自動的に行う
- KPI(目的):新規ユーザーからのコンバージョン最大化
Web Consideration(検討段階にある見込客のサイト流入強化)
Web Consideration(ウェブ・コンシダレーション)は、関心度の高い見込み顧客に対して、商品やサービスの検索、比較、別ブランドの検討など”検討段階のタイミング”でリーチすることで、サイト流入強化につなげるプロダクトです。
Criteo Customer Acquisition(CCA)が「コンバージョン獲得に向けた配信最適化」を目的としているのに対し、Web Considerationは「検討段階にある新たな見込み顧客のページ訪問に向けた配信最適化」を目的としています。
- KPI(目的):広告主の商品やブランドへの興味が高い新規ユーザートラフィックの増幅
Criteo Audience Match(休眠顧客の活性化)
Criteo Audience Match(クリテオ・オーディエンス・マッチ)は、既存顧客の再訪を促し、休眠顧客の活性化に有効なプロダクトです。
CRMやDMPデータを活用することでCookieベースではなく消費者軸でユーザー行動を一貫して把握し、クロスデバイスでターゲティングを行うことで、自社の顧客層をリエンゲージすることができます。
CRMやDMPデータの活用では、保有している顧客のメールアドレスをハッシュ化(匿名化)し、それを識別子とすることで、消費者軸で複数ブラウザやクロスデバイスでのユーザー行動を一貫して把握するUniversal Matchの技術が活用されています。
- KPI(目的):休眠ユーザーからのコンバージョン
Criteo モバイルアプリソリューション
Criteo モバイルアプリソリューションは、アプリのインストール促進、エンゲージメントの構築、そしてリターゲティングを一元管理できるモバイルプラットフォームです。
- インストールKPI(目的):インストール数増加、購入につながる良質な新規ユーザーの獲得
- エンゲージメントKPI(目的):インストールユーザーの会員登録や購入促進、休眠ユーザーの再アクティブ化
- リターゲティングKPI(目的):アプリ経由の売上向上、客単価向上
Criteoを導入するには?
ダイナミック広告であるCriteoを導入するには、自動化の仕組み、そしてCriteoエンジンの機械学習促進に必要な情報をインプットする仕組みを導入する必要があります。それがタグの設置とデータフィードです。
Criteoのタグ設置
Webサイトでのユーザー行動をトラッキングするために、以下の5つの階層にそれぞれタグを設置します。
- トップページ
- 一覧 / カテゴリーページ
- 商品ページ
- カートページ
- コンバージョンページ
これによりユーザーがトップページからどう回遊して、どのページを訪問したのか?どの商品をカートにいれて、購入したのか?どこで離脱したのか?という興味関心度も含めたユーザー行動を把握することができます。
これらのユーザー行動に関する詳細なデータを蓄積することで、Criteoエンジンの学習が進みレコメンド精度が向上します。
データフィードの準備
自社で取り扱っている商品の商品IDや商品名、リンク先URL、画像、価格、カテゴリーなどの商品情報をリスト化した「データフィード」を用意します。
データフィードは、Criteo広告における「クリエイティブの自動生成」、「機械学習の促進」という点において非常に重要な役割を担っています。
- クリエイティブの自動生成:Criteoではアップロードしたデータフィードをもとにクリエイティブが自動生成されるため、正確かつ最新の情報が必要です。また、データフィード情報を最適化することで、クリエイティブによる効果改善が見込めます。
- 機械学習の促進:データフィードでできるだけ多くの情報を提供することで、インプットデータを増やし機械学習を促進させます。Criteoのデータフィードフォーマットの必須項目以外の項目についてもできるだけ多くの情報を用意するといいでしょう。
データフィードは最初に用意して終わりではなく、常に最新の情報にアップデートし、広告効果改善のために最適化していくことが重要です。
そのため、データフィードの用意から更新の仕組みまでをトータルで検討することをお勧めします。
Criteoの効果を高めるためのポイント
Criteo広告の効果を高めるために重要なことは、いかにより多くの情報をインプットし機械学習を促進させるか、そしていかにユーザーに最適化された効果的なクリエイティブにするかという点です。その点においても、タグとデータフィードの最適化がポイントとなります。
- 全階層への“正しい”タグ設置でユーザーシグナルをくまなくプラットフォームに伝える
- データフィードは必須項目だけでなく任意項目を含め、可能な限り正確かつ多くの情報を含める
- 最新のクリエイティブ仕様をキャッチアップすることで、クリエイティブ機能とデータフィードの情報を用いて伝えたい情報を強調する(必要に応じてデータフィードの最適化を行う)
以下の記事では、タグとデータフィードの最適化による具体的な効果改善テクニックについてまとめています。これからCriteoを運用したい、現在配信しているCriteoの広告効果を改善したいという方にお勧めの記事となっています。
- 脱初心者!Criteoの広告効果が高まるポイントと改善テクニック – Feedmatic Blog
- Criteo広告をそのクリエイティブの特性から考えてみる 〜訴求力を高める為のクリエイティブ構成とは – Feedmatic Blog
また最近では、Criteoをインハウス運用に切り替えたものの、インハウスでの運用に苦戦し、ご相談いただくケースも多くなっています。以下の記事ではCriteoのインハウス運用が抱える課題や成功するためのポイントをまとめていますので、ご参考下さい。
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(執筆:松元)