Criteoの広告運用をされている方は、「現在配信しているCriteoの広告効果を改善したい」、「最近チームの目標値が高くなったが、運用金額を上げずに数値改善したい」という悩みをお持ちではないでしょうか?Criteoの広告はPDCAを回すことが難しいと思われがちです。
本記事では、Criteoを用いた広告運用の成功のポイントと改善の手法を解説します。
また、Criteo広告の媒体特性から効果改善施策まで全55ページで徹底解説したホワイトペーパーを公開中です。ぜひ併せてご参照ください。
最終更新日:2019年3月25日
Criteoとは?
Criteoはユーザーの興味関心や行動履歴を基にパーソナライズされた広告を自動配信するダイナミック広告のひとつです。
リターゲティング広告に加え、サイト未訪問の潜在的な新規顧客の獲得や休眠ユーザーの掘り起こしなどフルファネルでの活用が可能なCriteo。
Criteo広告の強みやフルファネルをカバーしたプロダクトなど、必ず押さえておきたいCriteoの基本については以下の記事をご覧ください。
Criteoの配信の仕組みを整理すると、以下の流れになります。
- ユーザーがサイトを来訪するとタグが発火し、ユーザーが閲覧した商品のIDをCriteoが取得する
- ユーザーがサイトを離脱すると、そのユーザーの情報がCriteoに保存される
- ユーザーが配信面に来訪すると、Criteoのバナーが配信される
このように、ユーザーが閲覧した商品のIDとフィード情報がマッチした際に、商品からバナーが瞬時に生成されるのです。
このCriteoの広告配信の働きをするのが、機械学習エンジンです。
Criteo広告は、非常に優秀な機械学習エンジンを利用して、入札・クリエイティブ・レコメンドの最適化をおこなっています。ユーザーの行動履歴をもとに、誰に(=いくらでどのユーザーに入札すべきか)・何を(=どの商品をレコメンドするべきか)・どのように(=どのようなクリエイティブにするか)配信するかを判断します。
Criteoは、Yahoo!など数多くの配信面を抱えているため配信量が多かったり、多くのレイアウト・カラー・ボタン文言を用いて様々なクリエイティブの形式で配信を行うことができたりと、他の広告とは異なる特徴があります。
それら配信量やクリエイティブの最適化を行なっているのが、機械学習エンジンです。機械学習エンジンはCriteoのかなめで、“どのユーザーにどのレイアウトのクリエイティブをどのくらい配信するか”を全てコントロールしています。つまり、エンジンにインプットする情報を最適化し、学習の効果を最大化することが広告パフォーマンスを改善することに直接つながるのです。
(エンジンの働きが全体の改善につながる)
3つの機械学習エンジンとその改善方法
誰に・何を・どのように配信するかを判断するCriteoにおけるエンジンの重要性がわかったかと思います。そのエンジンには3種類あり、入札エンジンは“どのユーザーに高く入札すべきか(誰に)”、レコメンドエンジンは“ユーザーにどの商品を見せるか(何を)”、クリエイティブエンジンは“ユーザーにどのクリエイティブを見せるか(どのように)”をそれぞれ検討するエンジンです。
各エンジンの改善のポイントは2つあり、エンジンの学習のもととなる情報を多く与えることと、最大限エンジンを活かす環境をつくることです。
ここでは、各エンジンの働きの違いと、インプット情報の改善方法を見ていきましょう。
入札エンジンの役割
入札エンジンはユーザーの行動履歴から、強化すべきユーザーを自動で判断します。たとえば、入札金額が20円で、ユーザーはフィードさんとフォースさんの2人がいるとします。フィードさんはカートに商品を入れたりと見込みの高いユーザー、フォースさんはTOPページで離脱した見込みの低いユーザーです。するとCVRの高いフィードさんには、設定した入札金額よりも高く入札されます。
(過去の行動履歴から見込みが高いと判断されるフィードさんには、入札金額よりも高く入札される)
改善方法:全ページ階層へのタグ実装
この入札エンジンに、ユーザーの行動(サイトの訪問の履歴・購入履歴)の正しい情報を与えて最適化するためには、全ページ階層への“正しい”タグ実装が必要です。
みなさんはCriteoの5種類のタグのうちの必須タグ(商品詳細タグ・CVタグ)のみを実装していないでしょうか?広告配信を優先させるために必須項目のみを埋めてスタートしてしまうケースが多々ありますが、任意タグ(TOPタグ・一覧タグ・カートタグ)もしっかり埋めるとよいです。入札エンジンに提供できるデータが多いほど、機械学習する際の材料も多くなります。
5種類全てのタグを実装すると、全階層のユーザーの行動を追うことが可能になります。興味レベルはTOPが低く、CVに近づくほど高くなるため、カートタグを追加実装すると、商品詳細ページより一歩進んだ、よりCVしやすいユーザーを特定することができるようになります。一方で、ユーザー数はTOPの方が多いため、任意のTOPタグや一覧タグを実装した状態で配信量が増えると、エンジンの学習に使用する母数が増え、エンジンの精度が上がります。
(☆の数は、各タグのエンジンの学習における重要度を示す。任意タグの中でも、カートタグの優先度が高い。)
レコメンドエンジンの役割
レコメンドエンジンはユーザーの行動履歴から、クリック・CVにつながる商品を判断し、配信時にその商品をバナーに生成します。過去に見た商品・同じカテゴリの商品・サイトでよく見られる商品・よく売れている商品などから、バナーの商品枠数に応じて商品が選定されます。よって、広告主はCriteoに自社商品の情報を提供する“データフィード”で、任意項目を含めた商品の情報をくまなく網羅し、エンジンが様々な商品から最適な商品を選べる環境を整えることが大事です。
改善方法:カテゴリ項目のフル活用
Criteoは商品カテゴリを3種類設定することが可能で、そのうち、入札に使用する必須カテゴリはカテゴリid1のみで、カテゴリid2・3は任意の項目です。1は入っているものの、2と3を埋めていない方が多いのではないでしょうか?
クリエイティブエンジンの役割
クリエイティブエンジンはユーザーの行動履歴からクリックにつながるクリエイティブを判断します。ユーザーの過去のクリック履歴から読み取れる、商品点数が多いものをクリックする傾向やスクロールの傾向、画像サイズの好みの傾向が、クリエイティブエンジンの判断に影響を及ぼします。広告主は、ユーザーごとに最適化するためにより多くのクリエイティブパターンを用意することが重要になります。
改善方法:カラー状況の見直し
リスティング広告やDSPを運用する際は、基本的に成果の悪い広告を削除することで成果改善していきますが、Criteoは異なります。Criteoはユーザーごとに最適化されるため、幅広いユーザーの好みに合わせるため、より多くのクリエイティブを入れることが重要なポイントです。
クリエイティブのカラーパターンは、より多くのユーザーに最適化するため、異なる印象のカラーを最大数の4色で設定してください。カラー選定のポイントは、①会社のブランドカラー・②ユーザー層・③ロゴとの調和です。②のユーザー層は見落とされがちですが、サイトごとに異なるユーザー層に合わせて、「4種類中で男性用の色を多く設定する」などの工夫をしてください。
たとえば、弊社のサイトには、基調となる色が8色あります。ユーザー層は、男性80%:女性20%であるため、中心となる4色の選定では男性が好む色を優先しています。最後にロゴとの調和を考慮し、男性向けの寒色を2種類、汎用的な色を1種類、比較的女性向けな暖色を1種類の計4種類を選定しました。
さいごに 〜Criteoのさらに具体的な改善手法〜
本記事で紹介した改善手法の他にも、機械学習エンジンの働きを最大化する手法はまだまだあります。「もっと具体的な改善施策や、どこから改善に着手すればいいかも知りたい!」という方のために、お役立ち資料を用意しました。以下のリンクから無料でダウンロードすることができるので、ぜひ参考にしてください。
資料では、Criteoの入札エンジン・レコメンドエンジン・クリエイティブエンジンの働きを改善するために打てる、本記事でご紹介した施策+αを、活用パターンを交えながら解説しています。
(執筆:森)