2017年4月18日(現地時間)に行われたFacebookの開発者会議F8 2017において、Facebookが提供する企業向けコミュニケーションプラットフォームサービス「Workplace by Facebook」の機能強化、及びパートナーシップについての発表がありました。
Workplace by Facebookとは使い慣れたFacebookの機能を企業のコミュニケーションに利用することができるプロダクトで、今回エンタープライズクラウドサービスとの統合によりファイル・文書の共有、プレビュー、整理、顧客レコードとの連携が容易になったことや、botの導入、ライブ動画のストリーミングなどの新機能やパートナーシップによって、よりスムーズな職場内のコミュニケーションが可能になったといえます。
Workplace by Facebookとは?
Workplace by Facebookとは2016年10月10日(現地時間)にリリースされた企業向けコミュニケーションプラットフォームサービスです。
ニュースフィードやグループ、チャット、ビデオ、ライブ動画など、使いなれたFacebookの機能を利用しながら、企業内外のコラボレーションや業務効率化の促進をサポートするプロダクトです。またモバイルファーストを念頭に設計されているため、どの場所にいても利用できることが特徴といえます。
社内用SNSとしてSlackやChatworkなどとの差別化を図りながら、現在は14,000の様々な規模の企業において利用されています。
今回発表された新機能及びパートナーシップ
エンタープライズクラウドサービスとの統合
新たなエンタープライズクラウドサービスとの統合により、ファイル・文書の共有、プレビュー、整理、顧客レコードとの連携が容易になりました。 これらの統合により、チーム内でアイデアを共有し、職場内でコラボレーションすることがより簡単になります。
例えば以下の画像にあるように、パワーポイントで作成したファイルを共有したり、コメントや編集などといった作業を共同でかつ簡単に行うことができます。
Working with files in Workplace
Posted by Facebook for Developers on Sunday, April 16, 2017
尚、エンタープライズクラウドサービスにはOneDrive、Office、salesforce、Dropboxなどが含まれており、パートナー一覧はこちらのINTEGRATIONSタブよりご確認いただけます。
botを利用したカスタムワークフローの構築
Workplace内でbotを構築することができるようになります。1対1のチャットだけでなくグループチャットも可能で@mentionしてタスクやワークフローを開始することもできます。
例えば、Q&Aのような問い合わせに対する関連情報の返答だったり、重要な通知を送信したりといった単調なタスクなどワークフローの改善に役立ちます。
実際FacebookのチームではFacebookの日々のワークフローを改善するために、以下のような100以上のbotを作成したとのことです。
- 採用に関して、面談の30分前に必要なすべての情報を面接者に通知するWork Chat botを作成
- 受付でゲストがサインインすると、botが担当者に通知
また以下の動画では、機材が故障した際、@repairbotを呼び出して、botがユーザーのリクエスト内容を理解し対応可能な修理担当を特定の上、担当者名をユーザーに送り返すといった例を紹介しています。
Posted by Facebook for Developers on Sunday, April 16, 2017
Workplaceのbotを自社で開発することが難しい場合、ボットプラットフォームパートナーを利用するこもできます。 パートナー一覧はこちらのINTEGRATIONSタブ、Bot Platformsよりご確認いただけます。
セキュリティ及びコンプライアンスに関する統合
企業がコンプライアンスを遵守し、ビジネスリスクを管理するのを支援するため、業界をリードするいくつかのクラウドコンプライアンス、電子情報開示(e-discovery)およびデータ損失防止プロバイダとのパートナーシップを発表しています。
パートナー企業には、CSDiscoやNetskope、Smarsh、Skyhighなどが含まれており、パートナー一覧はこちらのSECURITY&COMPLIANCEタブよりご確認いただけます。
ライブ動画をストリーミング配信
RTMP(Real Time Messaging Protocol)を介して Workplaceにライブ動画をストリーミングすることができるWorkplace Live APIが発表されました。
もはやライブビデオは企業内外のコミュニケーションに欠かせないものとなっています。Workplace Live APIを利用することによって、毎週開催されるミーティングやトレーニングのためのウェビナーなど、例え遠隔地にいてもWorkplace上でストリーミング配信することが可能となります。
ライブストリーム制作においても、深い専門知識を持つ企業とパートナーシップを結んでいます。パートナー一覧はこちらのLIVE VIDEOタブよりご確認いただけます。
さいごに
今回の発表は、企業内利用を進めるには必須ともいえるコンプライアンスやセキュリティの整備、ファイル・文書の共有、顧客レコードとの連携やbot、ライブの導入など、クラウドサービスや外部のパートナーとの連携によって推し進めたものとなっています。
使い慣れたFacebookのUI、プロダクトをそのままビジネス利用ができるというWorkplace by Facebookの一番の強みを活かしながら外部サービスを取り入れ、より利用しやすいものとパワーアップしたといえるでしょう。
(TOP画像引用:Facebook)
<参考>
- Workplace Announces New Integrations for Files, Bots, Compliance, and Live Video – 開発者向けFacebook
- Workplace by Facebook ― 新しい仕事のかたち
(執筆:松元)