2017年2月23日(現地時間)、Facebookはかねてより実施していたFacebook LIVE内に広告ブレイク(Ad Breaks)、いわゆるミッドロール広告を挿入できるテストの範囲を拡大し、US国内のFacebookページや個人アカウントの中で、フォロワー数2,000人以上かつ最近のライブ動画配信で同時視聴者数が300人に達している場合、ベータテストに参加できるようになるなど、動画の収益化についてのアップデートを発表しました。
今回の動画の収益化に関するアップデートの主な内容は以下の通りです。
- 利用資格をもつすべてのパブリッシャーがオーディエンスネットワークにおいてインストリームの動画広告を配信し収益化につなげることが可能に
- Facebook LIVEに広告ブレイク(Ad Breaks)を挿入するテストの範囲を拡大(フォロワー数2,000人以上かつ最近のライブ動画配信で同時視聴者数が300人に達している場合に参加可能)
- オンデマンド動画についても広告ブレイク機能のテストを開始
オーディエンスネットワークを介してインストリーム広告素材を収益化
オーディエンスネットワークと動画広告配信
オーディエンスネットワークとは、Facebookの広告主がFacebook以外のサードパーティのウェブサイトやアプリに配信できるアドネットワークのことで高精度なターゲティング機能や測定機能など、Facebok広告の利点を活かしながら、リーチ数を拡大しています。
Facebookのオーディエンスネットワークとはインターネット上での広告配信を効率化することを目的に開発されたもので、広告主がFacebook上で表示している広告をFacebook以外のプラットフォームにも表示できるアドネットワークのこと[…]
昨年2016年5月にはこのオーディエンスネットワークを介してインストリーム動画広告、インアーティクル動画広告がUSA Today Sports Media Group、Daily Mailなど一部のパブリッシャーに対して配信できるようになりました。
利用資格をもつすべてのパブリッシャーがインストリームの動画広告を配信し収益化につなげることが可能に
今回の発表により、オーディエンスネットワークにおいて利用資格をもつすべてのパブリッシャーがインストリームの動画広告を配信することが可能となります。
参加パブリッシャーが増え、配信先が増えることにより、オーディエンスネットワークを通して、より多くの世界中のユーザーに関連性の高い動画広告を配信することができるようになるでしょう。
オーディエンスネットワークのインストリーム動画広告による収益化についての詳細は以下のプロダクトページもしくはスタートガイド(pdf)(英語)をご覧ください。
Facebook LIVEへの広告ブレイクのテスト範囲を拡大
ここ数か月間、Facebook Liveの動画から収益を上げるために広告ブレイク(Ad Breaks)、いわゆるミッドロール広告のテストを少数の動画クリエーターに限定した形で実施していました。
このテストはライブ放送者がライブ動画の中に広告を挿入すると、視聴しているユーザーに最大15秒のインストリーム広告が表示され、結果として広告収入の一部を得ることができるというものです。
今後は、この広告ブレイク(Ad Breaks)のテスト参加の範囲をさらに拡大し、US国内のFacebookページや個人のアカウントの中で、フォロワー数2,000人以上かつ最近のライブ動画配信で同時視聴者数が300人に達している場合に、広告ブレイクを挿入することができるようになります。
ライブ動画に広告ブレイク(Ad Breaks)を挿入するには?
- USにおいて2,000人以上のフォロワーがいて、最新のライブ動画で同時視聴者が300人に達している場合に、広告ブレイク(Ad Breaks)のベータテストに参加することができます。
- 同時視聴者数が300人を超えると、ライブコンポーザーウィンドウ内に「広告ブレークを挿入できます」という$マークがついたメニューが、視聴者からのリアルタイムコメントと並んで表示されます。この$マークのメニューをタップすると、ライブ動画の間にミッドロール広告を挿入することができます。
- 最初のミッドロール広告は、少なくとも4分間放映した後に再度挿入することができ、次の広告は最低5分後に再び挿入することができます。
- 各ミッドロール広告は最大20秒間持続します。
(画像引用:Facebook)
その他広告ブレイク(Ad Breaks)の詳細については、スタートガイド(英語)から確認できます。
Facebook動画についても限定的に広告ブレイクのテストを開始
ライブ動画だけでなくオンデマンド動画についても広告ブレイク(Ad Breaks)の機能のテストを開始しています。パブリッシャーはアップロードした動画やFacebookライブラリの既存の動画に短い広告ブレイク(Ad Breaks)を挿入できます。 このテストには、米国の一部のパートナーが参加し、将来的には追加パートナーにテストを拡大したいと考えているとのことです。
さいごに
今後、一部の限られた企業だけでなく、より多くのクリエイターがFacebookの動画から直接収益を上げることができるようになれば、より一層動画コンテンツの数は増加し、動画の内容に変化も現れていくことが予想されます。
動画コンテンツを利用した収益化のしくみが整うことにより、Facebookは動画プラットフォームとしても認知されていくことでしょう。そんな中、動画やライブを利用したマーケティングのあり方についても新たに検討する必要がありそうです。
<参考>
- An Update on Video Monetization | Facebook Media
- Facebookオーディエンスネットワークで動画広告のリーチを拡大 | Facebook for Business
(TOP画像引用:Facebook)
(執筆:松元)