2016年9月27日(現地時間)、Facebookはモバイルに最適化されたフルスクリーンのリッチメディアであるCanvas(キャンバス)広告に関するアップデートを発表しました。
今回発表された主なアップデートの内容は以下の通りです。
- ブランドの認知度向上目的、動画視聴に対応
- 各コンポーネント毎にレポーティング
- 360度動画の利用や遷移先に別のCanvasを指定することが可能
- Best Practiceを組み込んだテンプレートを提供予定
Canvas(キャンバス)とは?
Canvasの概要
今年2月にリリースされたモバイル用に最適化されたフルスクリーンのリッチメディア広告です。
動画、画像、テキスト、コールトゥアクションボタン等インタラクティブな要素を駆使して、モバイル上で美しく効果的なブランドや製品のエクスペリエンスを表現した没入感に富んだクリエイティブでユーザーからの関心を引き付けることが可能です。
ユーザーはカルーセル形式に表示されたイメージをスワイプ・タップ・パンすることによって、Facebookから移動することなく、Canvas内のデジタルストーリーを簡単に移動、楽しむことができます。
モバイル環境を重視したリッチメディア広告を表示することができるため、結果、動画のロード時間を短縮し、標準的なモバイルWebより10倍早くロードすることが可能だといわれています。
(画像引用:Facebook)
Canvasで実現できるビジネス目的とは?
リリース当初は、ウェブサイトへの誘導及びウェブサイトでのコンバージョンを目的とした広告に対応していましたがその後、今年7月にはアプリインストール・アプリエンゲージメント目的が追加されました。
今回の発表では、その没入感に富んだクリエイティブから、ブランド認知度や広告想起率をあげるなどブランドアウェアネスの向上、そして動画視聴への利用についても拡張されました。
FacebookによるCanvasの導入事例の紹介
【プルデンシャル】
- 目的:ブランドの認知度向上とシンガポールにおける健康に配慮した企業としての地位獲得を目的として、Canvasを利用
- 方法:ペア(配偶者、親と子、兄弟姉妹)が4分間見つめ続ける動画をCanvasでシェア
- 結果:45歳以上の人々の間においては2倍の視聴があり、実際にプルデンシャルのエージェントにコンタクトをとりたいという意欲が51%増加。ブランドの独自性の認知において20%、ブランドアウェアネスにおいて28%の増加がみられた。
【Royal Caribbean】
- 目的:新しい、世界最大のクルーズ船-Harmony of the Seas-の無料クルーズの懸賞にCanvasを利用
- 方法:クルーズの概要を伝える美しい動画で構成されたCanvasの最後の画面に懸賞への申込アクセスコードとリンクを掲載
- 結果:Canvasでの滞在時間は平均72秒、CPA0.17USDという結果。
【Edifica-ペルーの建設企業】
- 目的:潜在的なバイヤーに新築集合住宅を紹介
- 結果:CPA50%、CPM15%カット。他のリンク広告と比較してCTR2.3倍。Canvasでの滞在時間は平均して46秒
(Facebookより)
新機能-”より簡単に”、”より効果的に”
レポーティング
Canvasを構成する動画・画像・ボタンなど、各コンポーネント毎のレポーティングが可能となりました。これによりマーケティング担当者はコンポーネント毎の効果実績を確認しながら、キャンペーンの設計をすることが可能になります。
テンプレートの提供
Canvas広告は、そのユニークなクリエイティブがゆえにリソース、ノウハウ等様々な点から、通常の広告クリエイティブと比較して、導入におけるハードルが高いことは否めませんでした。
Facebookは今後数週間の間に、Canvasの作成を簡素化するためのBest Practiceを組み込んだテンプレートを提供する予定とのことです。
以下はテンプレートのプレビューになります。
(画像引用:Facebook)
360度動画及び別のCanvasへのリンクを利用可能に
Canvas広告に360度動画、別のCanvasへのリンクが追加できるようになり、ますます没入型のデジタルストーリーの展開が可能となります。
ブラジルの金融機関であるITAは360度動画を利用した非常に楽しいCanvasを作成しています。
<参考>
(執筆:松元)