
先日、GoogleがAdWordsに関して幾つかの新発表を行った。
●Inside AdWords: Ads and analytics innovations for a mobile-first world
キーワードは「モバイルファースト」である。
今やGoogle検索の半数がモバイルから行われている状況であり、広告もモバイルに適した形に進化させていかなければならないのはもはや自明だ。
また、モバイルはよりユーザーの生活に浸透したデバイスでありGoogleが以前から重要視している「マイクロモーメント」を正確に捉えるためにもモバイルファーストの動きは必須である。
つまり「何かをしたい!という意図が生じたとき、すぐに目の前にあるデバイスを使って調べる・買うといった行動を起こす瞬間」に適切な広告を表示することがマーケティングとって重要になるのだ。
そういった背景がありGoogleのショッピング広告(旧PLA)の需要は伸び続けている。

上のグラフはアメリカのデジタルマーケティングエージェンシーMerkleのレポートだ。前年比でスマートフォンからのショッピング広告のクリック数が162%上昇しているなど、やはりモバイルファーストとマイクロモーメントの重要性の高まりを背景にショッピング広告が伸び続けている。
そこで今回は注目を浴び続けているショッピング広告の特徴、導入方法を解説しようと思う。
ショッピング広告とは
Googleショッピング広告とは、Googleの検索結果画面に画像や商品名・価格・店舗名などを表示することができる、Googleの広告サービスのことである。
例えば、Googleで「デジタルカメラ」と入れて検索すると商品の画像や価格が表示される。誰でも一度は目にしたことがある広告だろう。

ショッピング広告には大きく4つの特徴がある。
- 通常のテキスト広告と比較し、クリック率が最大3倍アップ
- 検索キーワード、広告文の登録は不要
- ユーザーの検索ワードと関連性の高い商品が自動的に表示される
- CPC課金
●ショッピング キャンペーンとショッピング広告について – AdWords ヘルプ
Google検索結果の広告といえばリスティング広告(検索連動型広告)が有名だが、 リスティング広告とショッピング広告では大きな違いがある。
それは「商品が画像とともに表示される」ということだ。
リスティング広告ではテキストのみの表示となり、そのテキストも多くはサイトの紹介になる。
一方ショッピング広告では、1つ1つの商品を画像とともに表示することができ、さらには価格やサイズ、型番までも表示させることが可能となっている。画像で訴求することができるショッピング広告は、リスティング広告と比較してより効果的に商品を訴求することが期待される。
広告の配信先
では、具体的にGoogle検索結果画面のどこに広告が配信されるのか。
GoogleのAdWordsのヘルプによると
- Google 検索
- Google ショッピング(一部の国のみ)
- 一部の国では YouTube と画像検索を含む、Google 検索パートナーのウェブサイト(お客様のキャンペーンが検索パートナーを含める設定の場合)
が配信先となる。
Google検索によって表示されるものはパソコンの場合「ページの上部」または「ページの右側上部」に表示される。
- ページ上部の場合
- ページ右側上部の場合
2016年2月下旬にGoogleから検索ページの右側広告が廃止されることが明らかになりテキスト広告は右に表示されなくなった。ただし商品画像とセットになっているショッピング広告は引き続き表示されている。
- スマートフォン、タブレットの場合
スマートフォンとタブレットの場合は、ページの下部に広告が表示される。上の画像では「スニーカー メンズ おすすめ」と検索してみた。
商品によって表示される広告数も変わるようで、商品画像がカルーセル形式で表示されるようになっている広告も確認できた。
ちなみにGoogleショッピングとYouTube上などでのショッピング広告配信は日本においてはまだ開始されていないようで、国内での配信先はGoogle検索に限定される。
ショッピング広告が特に有効な業種
まず前提として、ショッピング広告を行うには商品データが必要になる。
さらに、商品データといっても実物の商品が必要なので、クーポンや保険といった実物のないものは、ショッピング広告を利用することはできない。この要件により、必然的にショッピング広告を活用できるのは、今のところEC・通販業界となっている。
ショッピング広告のポイントは、なんといっても画像付きで訴求できる点である。
アイテム単位で画像と共に広告を配信することができる上に、テキスト情報(価格・企業名など)を組み合わせられるため、ユーザーのニーズが発生したとき(検索したとき)に広告表示できれば、効果が高いのも納得できる。
配信方法について
効果の高いショッピング広告を出稿するには、簡単に説明すると以下の手順に沿って行う。
- AdWordsのアカウントとGoogleマーチャントセンターのアカウントを開設する。
- Googleマーチャントセンターへ商品を登録する。
- AdWordsアカウントとGoogleマーチャントセンターをリンクする。
- AdWordsでショッピング広告の配信の設定を行う。
広告の管理はAdWords、商品情報の管理はGoogleマーチャントセンターという役割分担があるため、2つのアカウントが必要になる。
3つ目のアカウントの連携のところだが、やや複雑でもあるため、Googleが作った「商品リスト広告の設定方法」という動画を併せて参考にしてもらいたい。
ショッピング広告を配信するために準備するもの
ショッピング広告を行うには上記の手順に沿って行えばいいのだが、それとは別に2つの準備物が必要となる。
- 商品データのリストの用意
- 商品データを配信する仕組み(=データフィード)の構築
1つ目は、Googleマーチャントセンターに送る商品データの用意だ。自社で取り扱っている商品のタイトルや価格、画像、カテゴリーなどのリストデータのことで、自社のマスタデータベースからCSV等の形式で抽出して用意されることが多いようだ。
2つ目は、上記の商品データをPLA用の形式に変換して配信する仕組みの用意となる。こうした仕組みは「データフィード」と呼ばれる。
自社開発でデータフィードを用意することも可能ではあるが、データフィードは一般的に専用のサービスを利用して用意されることが多い。理由としては、主に下記の2点があげられる。
- 広告効果向上のための改善(商品データに列追加など)を素早く繰り返し実施するため
- 広告媒体側の仕様変更に素早く対応するため
配信で必要になるタイトルや価格といった商品データの要素は、たびたびGoogleから変更があるので広告を配信する際は常に最新の情報をインプットしていくことも忘れないでおきたい。
ショッピング広告のまとめ
データフィードの設計部分で多少難しそうな印象を受けたかもしれないが、なんといってもGoogleがますます力を入れてきている広告の1つである。
データフィードの設計によっては、効果が何倍にもなるショッピング広告の潜在能力の高さを感じて頂ければ幸いだ。
また都度都度の細かな変更点も多いため今後も、Googleの最新動向を追って紹介していきたい。
<参照>
(執筆:太田)
弊社フィードフォースでは、データフィードを簡単に作成・運用するツール「10分でつくるデータフィード dfplus.io」を提供しています。dfplus.ioを利用することで、これまでエンジニアや専門業者に委託せざるを得なかったデータフィード運用に必要な全作業を広告運用担当者自身が実施することが可能になるため、データフィード作成時間を大幅に圧縮し、また広告結果に対する改善施策を実施するPDCAサイクルを短期化することができ、結果としてデータフィード広告の効果アップにつなげることができます。
<dfplus.ioではどんなことができるの?>
- データフィード最適化のための各種変換ルールや除外ルールの設定
- 広告クリエイティブのプレビュー
- 複数の広告媒体向けに作成したデータフィードの統合管理
- チームでの運用
3週間の無料トライアルが可能になっておりますので、Criteo、Google、Facebookなど、データフィード広告にご興味をお持ちでしたら、ぜひお気軽にお申込みくださいませ。