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心を動かす動画広告制作のヒント:“Facebook Awards 2017”受賞作品例

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2012年に始まって以来開催6回目となる“Facebook Awards 2017”は、世界中から集まる多くのFacebookとInstagramのキャンペーンの中で、Facebookが最も優れたクリエイティブを選出するものです。

「心を動かす広告」をテーマに、以下の5部門に分けて表彰されました。

  1. Love:見る人にブランドへの思い入れを持たせる作品(応募作品のほぼ半数!)
  2. Act:見る人の行動を促し、そのブランドの売上などを向上させる作品
  3. Cry:見る人を泣かせ、思いやりの気持ちを抱かせる作品
  4. Wow:見る人を驚かせ、それまでとは異なるブランドイメージを示す作品
  5. Laugh:見る人を笑わせる作品

広告上での使用言語は問われませんが、“Facebook Awards”への応募は全て英語で行う必要があります。 

受賞作品例

それでは、それぞれの部門の受賞作品を見て、クリエイティブ制作のヒントを得ましょう。受賞作品は訴求力のあるストーリーを提供しています。さらに、どの地域の作品も動画広告が強く、情報量の多さや接触時間の長さもポイントになりそうです。

Love部門:Airbnb

旅先での体験を提供するAirbnbの動画"We Are Here(私たちはここにいる)"が、Love部門を受賞しました。見る人にそのブランドへの思い入れを抱かせる作品として評価されたこの動画は、五感に訴えかけるような構成が特徴的です。

Airbnbは旅に関心がある18〜49歳を対象とし、視聴者が動画を通してAirbnbのサービスを疑似体験することを目的に、このキャンペーンを行いました。

この動画では、実際に旅行者が渋谷のスクランブル交差点を歩いたり、ロサンゼルスでサーフィンをしたり、南アフリカで海を守る活動をしている様子を描きます。その台本のないエキゾチックな旅の様子を通し、世界が繋がりに満ちていることを視聴者に伝えています。 

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クリエイティブ情報

  • ブランド:Airbnb
  • 業種:宿泊シェアサイト
  • 市場:アメリカ
  • 広告代理店:Creative Shop
  • クリエイティブ名:"We Are Here"
  • 動画の長さ:2分6秒
  • キャンペーン目的:ブランド認知
  • 使用したFacebookツール:動画広告

Act部門:ユニリーバ

ユニリーバの動画は、見る人の行動を促し、そのブランドの売上などの売上を向上させる作品と認められました。

ユニリーバの口内ヘルスケアブランドである“Signal”のミッションは「世界中の家族に朝と夜の1日2回、歯磨きをしてもらう」こと。Signalは将来に最も影響力のある「子ども」を対象に、そのミッションに取り組むことにしました。

動画では、夜子どもが寝る前に歯を磨かせるのが大変ということから、“Little Brush Big Brush(小さいブラシと大きいブラシ)”というゲームを通して、歯磨きを促します。

さらに、このSignalはユーザーの初期設定やリマインド機能にMessengerボットを活用しており、これは今年の“Facebook Awards 2017"の新しい傾向です。

ビジネスの視点では、Signalの商品の使用頻度を上げるように促すことができました。

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クリエイティブ情報

  • ブランド:ユニリーバ - Signal
  • 業種:メーカー
  • 市場:インドネシア
  • 広告代理店:R/GA London
  • クリエイティブ名:"The Adventures of Little Brush Big Brush(小さいブラシと大きいブラシの冒険)"
  • 動画の長さ:1分52秒
  • キャンペーン目的:ブランド認知・地域認知・リーチ・エンゲージメント・動画視聴・コンバージョンエンゲージメント・リードジェネレーション
  • 使用したFacebookツール:カルーセル広告・動画広告・動画リンク広告・画像・ウェブサイトリンク広告

Cry部門:アムネスティ・インターナショナル

難民支援や人権擁護の活動を行うNGOのアムネスティ・インターナショナルは、見る人を泣かせ、思いやりの気持ちを抱かせる感動的な動画を制作しました。

動画の舞台はドイツ。難民とヨーロッパ人が相互に向かい合い、心理的距離を縮め、相互の偏見を克服するために4分間互いを見つめ合います。アムネスティ・インターナショナルはこのキャンペーンを通して、難民が助けを求めていることをヨーロッパ人に理解してもらうことに加え、難民にも自分たちを理解し助けてくれる人がいると分かってもらうことを目指しました。

この動画を含む一連のイベントには、約10億のメディアインプレッションがありました。

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クリエイティブ情報

  • ブランド:アムネスティ・インターナショナル
  • 業種:NGO
  • 市場:ポーランド
  • 広告代理店:Creative ShopDDB&tribal Warsaw
  • クリエイティブ名:"#IWELCOME - LIVE(歓迎します)"
  • 動画の長さ:2分7秒
  • キャンペーン目的:ブランド認知・地域認知・リーチ・トラフィック・エンゲージメント・動画視聴・コンバージョン・リードジェネレーション
  • 使用したFacebookツール:動画広告・画像広告

Wow部門:カンタス航空

オーストラリアの国営航空会社・カンタス航空の“Out of Office Travelogue(不在時の旅行記サービス)”は、インスタグラムの写真を用いて不在時の返信を自動化するサービスです。

「若いオーストラリア人を旅行に駆り立てるものは何か」と考えたカンタス航空は、友達や同僚からの勧めが重要だと気づき、それまでは話題に上がることのなかったメディアである「不在時のメール」と、若いオーストラリア人に最も人気な画像共有ネットワークの1つであるInstagramを掛け合わせました。このメールとInstagramのユニークなコンビネーションが、面倒な不在時のメールを旅行記に変えたのです。

ビジネスとしても、“Out of Office Travelogue”により、利用者は旅行のモチベーションが向上し、カンタス航空の予約数が増加しました。この革新的なアイディアを示す動画が、見る人を驚かせ、それまでとは異なるブランドイメージを示す作品と評価されました。 

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クリエイティブ情報

  • ブランド:カンタス航空
  • 業種:航空
  • 市場:オーストラリア
  • 広告代理店:The Monkeys
  • クリエイティブ名:"Out of Office Travelogue"
  • 動画の長さ:1分42秒
  • キャンペーン目的:ブランド認知・エンゲージメント・リードジェネレーション
  • 使用したFacebookツール:動画広告・動画リンク広告・画像
  • 使用したInstagramツール:画像広告・動画広告

Laugh部門:ネットフリックス

ネットフリックスはオリジナル有名ドラマ『ナルコス』の世界中のファンや見込みファンを対象に、笑いや議論を巻き起こすような動画を発信しました。

この動画"Spanish Lessons(スペイン語のレッスン)”では、主人公のナルコスが“Son of a bitch(クソ野郎)”や“Eat shit(糞食らえ)”などの皮肉が込もった表現をスペイン語で多用し、見る人の笑いを誘います。

動画のKPIとしては、以下を設定しました。

  • ソーシャルエンゲージメント:ドラマシーズン2の認知度向上
  • リーチ:ソーシャル上での『ナルコス』のフォロワー数向上

そしてキャンペーン目的の中核には売上を置き、『ナルコス』シーズン2は2016年の第3四半期に、全世界の購買者を230万人増やすという、ネットフリックス社全体のゴールに寄与しました。

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クリエイティブ情報

  • ブランド:ネットフリックス
  • 業種:映像ストリーミング配信
  • 市場:アメリカ
  • 広告代理店:Alma DDB
  • クリエイティブ名:"Spanish Lessons(スペイン語のレッスン)"
  • 動画の長さ:2分
  • キャンペーン目的:ブランド認知・リーチ・トラフィック・エンゲージメント・動画視聴
  • 使用したFacebookツール:動画リンク広告・画像

さいごに

それぞれの動画はいかがだったでしょうか?まさに心を動かすクリエイティブですね。

“Facebook Awards 2017”の受賞作品の特徴としては、以下を挙げることができます(Facebook参照)。 

  • 動画が多い(応募形式が指定されていないにも関わらず)
  • 動画の長さは2分前後のものが多い
  • 小規模ビジネスからの応募が増加し、最終選考の1/4は小規模ビジネスによるもの
  • 欧米を対象市場とするキャンペーンが多いが、アジアや南米を対象とするものもある
  • Messengerボットを活用したものもあり、特に欧州、中東、中南米、北米からの応募にはその傾向が強い(2. Act部門の動画参照)
  • Instagamの投稿を不在時メールの返信に活用するなど、リアルタイムのコミュニケーションを変化させる工夫が見られた(4. Wow部門の動画参照)

みなさんも“Facebook Awards 2017”の受賞作品を参考に、視聴者の心を動かし、ビジネスに好影響を与えるクリエイティブ制作を行いましょう。

〈参考〉

(執筆:森)